施術内容
クマやタルミのように見える原因である眼窩脂肪を、下まぶたの裏側から摘出する手術です。まぶたの裏側を5ミリ位切開し、脂肪を摘出します。経結膜脱脂の最大のメリットは、皮膚の外側には一切傷をつけずその原因である脂肪を取り除くことにあります。また、皮膚側に傷がつかないため、翌日よりアイメイク、洗顔も可能ですし、手術後の腫れは殆ど目立ちません。少しまぶたが腫れぼったいと感じる程度です。経結膜脱脂は、”腫れない“ことが特徴の手術です。
お勧めの方
・目の下のくまを取りたい方
・皮膚を切開しないで脂肪を取りたい方
・疲労時に夜になると目立つたるみを取りたい方
・あまり仕事を休まないで、目の下のふくらみを取りたい方
経結膜脱脂法
目の下のくま・たるみ・ふくらみと称されるBaggy eyelids(涙袋)ですが、加齢とともに徐々に目立ってきます。若年者でも、目立つことが少なくありません。患者様はときに“くま”という表現をされます。色素をともなう場合にはこの方法だけでは改善が難しく、他の治療(トレチノイン軟膏)を併用することになります。
実際には、下まぶたがたるんでいて疲れてみえる、疲労時に夜になると下まぶたが特にたるんで老けてみえるなどの表現をされることが多いようです。もし、眼窩脂肪が垂れ下がっている場合には、皮膚に一切傷をつけない“経結膜脱脂”で簡単に改善が可能です。 術後は腫れも少なく皮膚側に傷がないため、翌日よりメイクが可能でお休みがほとんどとれない方にも向いた手術です。
さらに眼窩脂肪の突出とともに、頬瞼溝(ゴルゴ線)が目立つことも多く、その場合には結膜(瞼の裏側)から、脂肪を切除するのではなく、突出している脂肪を頬瞼溝のくぼみの下に移動して、溝を盛り上げる手法がとられます。いわゆる経結膜ハムラ法といわれています。
Baggy eyelids(涙袋)の原因
1)加齢性涙袋(中年以降)
原因は加齢により眼窩内で眼球を支持する眼球堤靭帯(Lockwood's ligament)が弛緩し、眼球下垂による眼窩下方の脂肪圧が高まることで前方に突出することによります。
2)若年性涙袋
若くて目立つ方の場合には、その成因が異なります。眼窩内で眼球を覆っている眼窩脂肪が、生まれつき眼窩の容積に対して過剰に存在する場合にも、この下まぶたのふくらみが目立つことになります。
*簡易自己診断法
下まぶたのたるみ、ふくらみが皮膚のたるみであるのか?眼窩脂肪が原因なのか?簡単に診断することが可能です。この原因の違いによって、手術方法が異なりますので簡単ではありますが、重要な診断方法です。
まず鏡を左手に持って、右目をつぶって、右手人差し指で右の眼球を軽く圧迫してみて下さい。眼窩脂肪が原因の突出の場合には、下まぶたに圧排された脂肪がより一層目立ってきます。
1)経結膜眼窩脂肪摘出(脱脂)術
この手術はくま、たるみの原因である眼窩脂肪を、皮膚に一切傷を残すことなく、まぶたの裏側(結膜)から摘出する手術です。
手術は患者様の希望も考慮して、局部麻酔、静脈麻酔で行います。手術時間は片側約20分程度です。
手術方法
術前に座位で切除すべき脂肪の部位をマーキングします。 眼窩脂肪は下眼瞼では3つのコンパートメント(区画)に分かれているため、どの部位の脂肪をどのくらい切除するか分析する必要があります。通常は内側、中央の2つのコンパートメントの脂肪を摘出することが多いのですが、時に3コンパートメント全体から摘出することもあります。この診断は術前の眼球圧迫テスト、術中の施術医の判断によります。
①下眼瞼を翻転し、瞼板下端で約1~1.5cmの横切開を加えます。
②結膜切開後は眼窩隔膜(septum)前面から隔膜を切開すると眼窩脂肪が露出し脱出してきます。 下眼瞼の脂肪は内側、中央、外側と3つのコンパートメントに分かれていますが、術前の評価通りに切除します。 主として内側、中央のあふれ出してきた脂肪を、電気メスでしっかりと止血、凝固しながら切除します。
③最後に結膜切開創はドレナージ(血液排出)の意味で縫合は行いません。
2)経結膜ハムラ法
下まぶたのふくらみと同時に、その下の頬瞼溝(ゴルゴ線)を改善します。余剰皮膚の少ない方、皺はそれほど目立たない方、に適した方法です。
①切開・剥離
瞼を反転して、結膜(瞼の裏側)に2cmの切開を行います。その後、剥離は眼窩隔膜上(眼輪筋下)で行い、眼窩下縁まで至ります。さらに剥離を骨膜下に変更して、気になるくぼみ(ゴルゴ線)の部位をを越えて剥離を完了します。
②眼窩脂肪の移動
眼窩隔膜を切開して開窓し、内側、中央の眼窩脂肪(コンパートメント)を引き出します。この脂肪は、頬瞼溝(ゴルゴ線)の溝を下から盛り上げるため、対応する部位の骨膜下に移動して、骨膜に縫合・固定します。
なお眼窩脂肪が過剰にある場合には、余剰脂肪は必要に応じて一部は切除します。
③結膜は縫合することなく、腫れ防止のため血液などをドレナージ(排出)します。
ワンポイントアドバイス
最近この手術法も広く認知されるようになり、多くのクリニックで行われるようになってきました。しかし、適確な量の脂肪を切除するには医師の経験、デリケートなセンスが大変重要です。眼窩脂肪は引き出すことにより面白いように脂肪が出てきますので、過剰に脂肪が取られることが少なくないのです。実際に手術後の合併症で“取りすぎ”変形を多く見ます。
取り足りない場合は追加切除すれば問題ないのですが、頬瞼溝(ゴルゴライン)のくぼみに合わせて、眼窩脂肪を取られ過ぎた患者様を多く見るようになってきました。下まぶたは、ふくらみが目立つのも困りものですが、脂肪が取られ過ぎてくぼんでいるほうがもっと悩みが深くなることも覚えておいたほうがよいでしょう。
このゴルゴ線と涙袋は密接な関係にありますが、実際に症状は混在しており、適確な診断のもとに、複合的なアプローチが要求される、技術を要する手術です。ゴルゴ線(頬瞼溝)が目立つ方は、本術式だけでは改善は難しく、いわゆる“ハムラ法”が適応になります。なおハムラ法は皮膚側切開が原法ですが、結膜側(まぶたの裏側)切開でも行うことができます。
POINT
- 経結膜脱脂は、目の下の疲れた印象、老けて見える印象を改善させる施術です。
- 経結膜脱脂の最大のメリットは、皮膚の外側には一切傷をつけず下瞼(まぶた)の裏側より、たるみやくまのように見える原因である脂肪を取り除くことにあります。
- 眼窩脂肪は下瞼(まぶた)では3つのコンパートメントに分かれているため、どの部位の脂肪をどのくらい切除するか分析します。
- 皮膚側に傷がつかない為、当日よりアイメイク、洗顔も可能です。手術後の腫れはほとんど目立ちません。
- 脂肪摘出後は、あたかもたるみがとれたかのようにすっきりとした目もとに改善されます。
下眼瞼結膜側脱脂の特徴
-
施術時間
約60分
-
麻酔
静脈麻酔/局所麻酔
-
腫れ具合
★☆☆☆☆
-
ダウンタイム
2~3日(むくんだ感じになる)
同時に行うことが多い施術
四角い大きな顔もほっそりとした理想の卵型に
長さを10ミリ~12ミリ短く、均整のとれた顎(あご)に
顔の横幅を小さくして憧れの小顔に
上を向いた鼻を下方向に延長
団子鼻もほっそりと自然なシャープさを
症例写真
下眼瞼結膜側脱脂症例写真
経結膜脱脂法
経結膜脱脂法
腫れの経過
下眼瞼結膜側脱脂
皮膚の裏側(結膜)より下まぶたのふくらみを改善。
よくある質問と答え
- 目の下のクマを取りたいのですがどのような方法がありますか?
- 目の下の脂肪のふくらみを取りたいのですが、傷跡は残りますか?
- 脂肪を取ったらしわは増えませんか?
- 脂肪を取ったらたるみもとれますか?
- 休みがあまりなくても受けられますか?
- 腫れについて教えてください。
- 痛みについて教えてください。
- くまのように見える原因が脂肪のふくらみであれば、皮膚に傷をつけず脂肪を摘出して改善します。茶色っぽい色がついている場合は一種のあざです。この場合は、美容皮膚科のリッツメディアルクリニックでトレチノイン軟膏とレーザーを併用して治療します。
- 当院では脂肪のみを取る場合は、結膜側から摘出しますので、皮膚には一切傷がつきません。腫れも少なく2~3日少しむくんだような感じです。
- 太った人が痩せるとしわが増えるように40歳後半以降の方の場合、多少ですがしわが増える可能性があります。この場合は皮膚側を切開して、皮膚・筋肉を引き上げる必要が生じてきます。40歳前後においてはしわのご心配は殆どありません。
- 経結膜側脱脂では、皮膚や筋肉の処理は行いませんので、たるみは変化しません。但し、眼窩脂肪の突出がたるみのように見える場合には。手術後あたかもたるみが取れたように見えます。
- 経結膜脱脂は、皮膚を切開しませんから非常に腫れが少なく2~3日間むくんだような感じです。抜糸もなく翌日からお化粧・洗顔ができます。経結膜脱脂は、“腫れない”ことが特徴の手術です。
- 経結膜脱脂は、皮膚を切開しませんから非常に腫れが少なく2~3日間むくんだような感じです。抜糸もなく翌日からお化粧・洗顔ができます。経結膜脱脂は、“腫れない”ことが特徴の手術です。
- 点眼の予備麻酔を行い極細の注射針で局所麻酔をしますので、ほとんど痛みを感じることはありません。特に痛みに敏感な方には、眠っている間に終了する静脈麻酔もできます。術後に強い痛みはなくお渡しする鎮痛剤で十分カバーできる位です。