手術症例の解説
ここ最近ブログでは、私の言いたいことをはっきりと書くようにしています。それは、他院での手術後修正目的で当院を受診する方の数が最近非常に多く、「随分回り道をしてきたなあ!」と思うことが多々あるのでブログを通じて情報発信したいからです。
美容外科での他院手術後の修正を希望する方はほとんどの場合、手術結果に対する要求が標準より高いというわけではなく、単に手術結果がよくないという理由で修正手術を希望されます。
今回のブログでは埋没法の腫れについて説明したいと思います。
埋没法はどこの美容外科のクリニックでも行っている、それほど一般的になったプチ整形の二重の手術方法です。埋没法にクリニック独自の名前を付けていることもあります。美容外科専門医の私自身も聞いたこともない、オリジナル埋没法の名称は非常に多くあります。ましてやこれから初めて、また何度目かの二重の手術を受けようとする方に判るはずもありません。
それらの差は何なのでしょうか?
きっと疑問に思っている方は多いと思います。
最後まで読んでもらえれば、埋没法の結果の差については理解できると思います。
腫れない埋没法
腫れる原因
1 二重幅の広さ
2 余った皮膚
3 アイプチ、アイテープの使用による炎症
4 手術時の緊張
5 内出血(今回のブログの主なテーマ)
6 痛み止めの注射の量
7 手術術式
8 手術手技(今回のブログのテーマ)
腫れる原因は上記に記載したものが主なものですが、1~3までの項目は手術を受ける側の要因なので私ではどうすることもできないことです。
それに対し、4~7は手術を行う側の要因です。これらを要因とする腫れは、担当医の創意工夫次第で最小にすることが可能です。
同じ病院でも担当医が変われば腫れも変わるということは理解できると思います。
美容外科の仕事は職人の仕事と思っています。私たち医師の手技にもうまい下手があり、腫れる腫れないという差ができることは当然です。(参照:失敗しない美容外科選び)
内出血をできるだけ出さないために
埋没法は皮下(皮膚の下)から結膜下(瞼の裏)にかけて糸を埋め込む手術なので、手術の際に注射針や糸が血管を傷つけて内出血を起こすことがあります。したがって、内出血を出さないためには血管を避けて手術操作を行えばいいのです。
ただし残念ながら、深部の見えない血管にたまたま針や糸が損傷を与えると内出血が出ます。
どこに血管が走っているのか?
1 皮下
2 結膜下
3 皮膚と結膜との間
二重のライン上に走る 皮下の血管 |
皮下の血管の図 | |
上の写真では、二重のラインに交差するように走行する多数の血管がわかると思います。
埋没法では、まず二重のライン上に一致して痛み止めの注射を行います。二重のライン上の特定の部分に糸をかけるので、血管へのダメージの可能性をゼロにすることはできませんが、あらかじめ確認できる血管を避けて痛み止めの注射を行います。
結膜下を走る血管 | 結膜下の血管の図 | |
上の写真および図は結膜下に多く走行している血管状態を示すものです。
血管は、単に皮下(皮膚の直下)のみばかりではなく、結膜下(瞼の裏側の粘膜下)にも多くあります。皮下と結膜下の血管は技術的にある程度避けることのできる血管です。
血管は皮下および結膜下以外にもあります。皮下と結膜との間の組織にも血管があります。この血管網は深部にあるので外からは確認できません。見えない血管へのダメージは、どうしても避けることはできません。
どのようにして血管を避けるのか?
・手術前に二重のライン上の血管をマーキングしておく
・肉眼では限界があるので、ルーペ(拡大鏡)を使用する
・結膜側の見えない血管は、結膜を多めに反転することによって見えてくるのでより避けやすくなる。
術後の内出血を少なくさせるコツは、皮下および結膜下の血管に、できる限りダメージを与えないことです。
内出血を生じれば腫れがでる
内出血は、平らな部分に出血した血液がたまって、大きな血液のかたまりを生じます。内出血の血液の量に比例して腫れがでます。
皮下の内出血は、丁寧な手術を行えば出る確率はかなり下がります。仮に出たとしても手術中にうまく対処したならそれほど大きな腫れは出ません。数日でかなりひいてくるので、メイクでほとんど隠せるでしょう。
皮下以外の部位での内出血は、
もしも内出血を生じた後の経過
1 強い腫れが出る
2 数日で腫れはひいてくる
3 手術の翌日から睫毛付近が青っぽくなる
4 1週間程度で青っぽい色は黄色に変化していく
5 1~2週間で内出血はあまり気にならなくなる
最後に
二重の術後の腫れについて聞かれたとき、カウンセリングでよく私が言うことがあります。腫れの1割~2割は運でどんなにうまく行っても深部の血管の損傷によって強い腫れが出ることがあります。
ただし、今まで培ってきた技術で上記のことをふまえて上手く手術を行えば、8割~9割程度の割合で腫れを出さないことは可能です。
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リッツ美容外科 高松院
香川県高松市瓦町2-6-14 瓦町スクエアビルド6F
TEL:0120-882-622 (年中無休/受付時間:10:00~19:00)
手術解説 | 2015.10.01
鏡を見て頬のたるみが気になりますか?
頬は年齢に比例して下がってくるので、加齢とともにフェイスラインから頬にかけてのたるみが出て、私たちの顔は下半分が大きくなっていきます。
また加齢によって法令線はどんどん深くなっていきます。
頬のたるみは加齢によるものなので改善方法もなく仕方ないと昔は考えられていました。しかし今は何歳か若返らせる方法があります。
鏡を見て頬のたるみが気になる方に、腫れずにできる以下のような施術があるということを知ってもらいたいと思います。
切らずに行う頬のリフトアップの種類
切開して頬をひきあげる手術のフェイスリフトは最も効果があります。ただし腫れがひくのに数週間必要なので、休みがあまり取れない方には不向きです。
腫れが長引くのが嫌なので簡単な方法でたるみを改善させたい、と希望される方は確かに多いと思います。
切らない頬のリフトアップの方法には以下のものがあり、腫れはほとんどないか数日程度の腫れなので仕事には支障ないでしょう。
1 糸で引き上げるスレッドリフト
溶けない糸と溶ける糸とがありますが、溶ける糸の方がトラブルが少ないので溶ける糸によるリフトを強く勧めます。ハッピーリフトまたはミントリフトがお勧めです。
糸によるリフト(スレッドリフト)で改善するのはフェイスラインで、改善がないのは法令線です。
2 超音波・レーザーなどの医療機器
リフトアップの医療機器では、タイタン、サーマクール、ウルセラなどが代表的ですが、リフトアップ効果に関してはウルセラが圧倒的に優れていると思います。ウルセラは、法令線の改善効果もあります。
3 脂肪注入
頬から顔全体をふっくらとさせることによって張りが出てたるみが改善します。
4 ヒアルロン酸
法令線の改善には非常に効果的です。
それではどのリフトアップ手術がいいのでしょうか?
どの施術を選択するかについては、頬のたるみがどの程度なのか、頬のどこがたるんでいるのか、またどうしてたるみが出たのかによって施術方法が異なります。
余談になりますが、最近他院で受けた手術の結果が好ましくなく、当院を受診して修正手術や処置を行うケースが非常に増えています。手術結果は単に広告で選んだ病院によるのではなく、担当する美容外科医によって大きく異なります。どの美容外科を選ぶかは、「失敗のない美容外科選び」を参考にしてください。
高松院のホームページなどにあるすべての症例写真は、すべて院長の私自身が執刀および担当しているので、本症例に限らずすべての施術で同様な結果を出せると思います。
さて、自分自身の頬のたるみが以下のどれに近いのかを当てはめると、施術方法の選択の参考になるかと思います。
腫れずに頬全体のリフトアップ
→ウルセラ
ウルセラ前 | ウルセラ後 | |
上記の症例では、ウルセラの施術後に頬全体の張りが出て、全体に頬がリフトアップしているのがわかります。また法令線のしわも改善しています。
腫れずに加齢による頬のたるみを改善
→ウルセラ
ウルセラ前 | ウルセラ後 | |
頬のたるみをできる限り改善
→ハッピーリフト
ハッピーリフト前 | ハッピーリフト後 | |
法令線のみが気になるとき
→ヒアルロン酸
注入前 | 注入後 | |
ヒアルロン酸はたしかに法令線を目立たなくさせる効果があり、ウルセラよりも法令線の改善の点では優れています。ただし、ウルセラのような頬全体のリフトアップは望めません。
また、ダイエットや疲れなどで痩せて頬のたるみが目立ってきたときは、頬をふっくらとさせる脂肪注入(吸収されるがヒアルロン酸も可能)が効果的です。
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手術解説 | 2015.07.18